乳がんにおける緩和ケアとは
緩和ケアというと、終末期の治療と思われるかもしれませんが、乳がんと診断されたときから、いつでも必要なときに、心身のさまざまな苦痛を和らげ、自分らしい日常を過ごしていただくためのケアです。
乳がんの痛みには、単なる身体的な痛みだけでなく、乳房を失うことへの哀しみや不安などの精神的苦痛、経済的負担や仕事が続けられるかといった社会的苦痛、生きる意味や自己存在をもおびやかすスピリチュアルな痛みがあります。
乳がんになったことからもたらされるすべての痛み=全人的苦痛(トータルペイン)をケアするのが、緩和ケアの目的です。
国立がん研究センター がん情報サービス「がんと療養204 がんの療養と緩和ケア」より作成
監修:土井卓子先生(医療法人湘和会 湘南記念病院 乳がんセンター長)