乳がんにおける放射線治療

放射線治療は、放射線を照射して細胞の遺伝子を壊し、がん細胞を死滅させる治療法です。正常な細胞よりがん細胞のほうが放射線の作用を受けやすいので、放射線を毎日少量ずつ照射することで、正常な細胞に与える影響を小さくして、がん細胞にだけ効率的にダメージを与えるようにします。

乳がんにおいては、主に乳房温存と言われる乳房部分切除術の術後に放射線治療が行われます。部分切除の後に乳房に、目に見えないレベルのがん細胞が残る可能性があり、そこからの再発を防ぎ、生存率を改善することが明らかになっているため、放射線を当てます。

全摘と言われる乳房切除術の術後でも、「わきの下のリンパ節(腋窩リンパ節)に転移がみられる」、「しこりが非常に大きい(5㎝以上)」など再発リスクが高い場合に放射線治療が行われます。

また、進行がんで手術ができない場合に、薬物療法と組み合わせて放射線治療が行われることがあり、再発・転移などが認められた場合の症状緩和のために転移巣に対して行われることもあります。

放射線治療が適応となるケース

  • 乳房部分切除術の術後:温存乳房に対して
  • 乳房切除術の術後で、リンパ節転移が高度にみられるなど再発リスクが高い場合:胸壁や領域リンパ節に対して
  • 局所進行乳がんで手術が難しい場合:薬物療法の後などに
  • 再発または転移が認められた場合:症状緩和を目的に転移巣に対して

 

監修:相良 安昭(社会医療法人博愛会 相良病院 院長)