放射線治療の副作用

放射線治療によって見られる副作用は、そのほとんどが照射する皮膚に現れ、 汗腺や皮脂腺、毛根へのダメージも見られます。 まれに、だるさを感じる人もいるようですが、 髪が抜けたり、激しい吐き気がするなどの強い症状が現れることはありません。
放射線治療の副作用は、治療中に起きる「急性障害」と、 数か月~数年後に起きる「晩期障害」に分けられます。

急性障害とその対策

急性障害は、照射した部分の皮膚が赤くなり、ヒリヒリする、かゆくなる、皮膚が乾燥してカサカサになる、黒ずむ、水ぶくれができる、などです。これらの症状は時間と共に解消しますが、放射線治療を受けている間は、

  • 入浴時に強くこすらない
  • 掻いたり、こすったりしない
  • 衣類や下着をやわらかい素材のものにする
  • 刺激の少ないせっけんを使う

などで症状を和らげることができます。また、放射線照射後1か月は刺激の強い入浴剤は避け、放射線を照射した部位には湿布や絆創膏を貼らないようにしましょう。
皮膚の乾燥は、主治医に相談してローションなどでこまめに保湿したり、かゆみや炎症にステロイド軟膏を処方してもらうこともできます。

晩期障害

晩期障害には、皮膚や乳腺が硬くなる、毛細血管が浮き出てくる、皮膚が黒ずむ、汗をかきにくくなる、などがあります。まれに、放射線肺炎で咳や微熱が続くことがあります。放射線肺炎は適切な治療によって治るので、早めに医療機関の受診を。

放射線治療のおもな副作用

急性障害 ●皮膚が赤くなり、ヒリヒリする
●皮膚がかゆくなる
●皮膚が乾燥してカサカサになる
●皮膚が黒ずむ
●水ぶくれができる
晩期障害 ●皮膚や乳腺が硬くなる
●毛細血管が浮き出てくる
●皮膚が黒ずむ
●汗をかきにくくなる
●放射線肺炎を起こす

 

監修:相良 安昭(社会医療法人博愛会 相良病院 院長補佐)