ポートを使うメリットとデメリット

ポートを使うメリット

針を刺せる面積が広いので、血管の確保が確実にできる

血管が細い人、血管がもろい人など、どんな人にも、簡単に確実に針を刺すことができ、針を何度も刺し直すこともなくなります。

血管痛、静脈炎、薬液の血管外への漏出が防げる

腕の血管よりも太い、心臓の近くの血管に薬を投与するので、刺激の強い薬を投与しても、影響を受けにくく、静脈炎による痛みや皮膚の腫れ、皮膚の硬化など外見上の変化を防げます。

点滴中も安静を保つ必要がない

点滴針の留め置きが安定するので、点滴中も両手が自由に動かせます。自宅でも点滴を受けることができます。

日常生活に制限がない

入浴やスポーツもできます。服装の制限もありません。

抗がん薬以外の点滴にも使える

ポートは、水分や栄養剤、抗生剤をはじめ、ほとんどの点滴に用いることができ、腕の血管に針を刺す回数を可能な限り減らすことで苦痛を軽減できます。
造影CTを行う場合に使う造影剤の注射や採血に対応できるように設計されているものがあります。
詳しくは、病院でお尋ねください。

ポートを使うデメリット

外科的な処置が必要

ポートを埋め込む手術のほか、治療を終えて不要になったポートを取り出す手術が必要になります。

埋め込み手術に伴う合併症や、埋め込み後の破損などのトラブル

ごくまれに、手術の際に「動脈穿刺」や「気胸」「血胸」などの合併症を起こすことがあります。
また、まれに、埋め込み後に以下のような合併症やトラブルが起こる可能性があります。

  • 体内でカテーテルやポート本体が破損する
  • ポート周囲の皮膚が感染症を起こす
  • カテーテルやポートの中が詰まって使えなくなる

このような場合は、ポートを取り出す処置をすることもあります。

ポート専用の針に費用がかかる

(1個あたり約300~1000円)

体内に異物を埋め込むことに対する不安

 

監修:土井 卓子(医療法人湘和会 湘南記念病院 乳がんセンター長)