使用上の注意とメンテナンス

日常生活における注意

基本的に、日常生活での制限はありませんが、ポートを埋め込んだところを強く押さえたり、こすったりしないように気をつけましょう。
発熱や赤み、腫れ、痛みなど、体調や皮膚の状態に変化がある場合は、すぐに主治医に相談しましょう。

入浴 

留置術を行った翌日からシャワーを浴びることができます。抜糸後は湯船につかれます。
薬剤の投与を行った日は、針を抜いた後の皮膚に異常がなければ、湯船につかることができます。

運動

通常の運動はできます。
ただし、カテーテルに負荷がかかると、位置がズレたり、損傷したりする原因となります。
カテーテルが埋め込まれた部分を激しく動かすような運動(テニス、バタフライなど)を行う場合は、事前に主治医に相談しましょう。

車での移動

ポート本体の埋め込みが右前胸部の場合、シートベルトに当たって痛みが出るかもしれません。
その場合はシートベルトとの間にタオルなどクッションになるものを挟んでみてください。
留置場所が上腕・前腕部の場合には、影響はありません。

飛行機の搭乗

ポートには微量のチタン合金が使われている部分がありますが、空港での保安検査の際に金属探知機が反応するほどではありません。それでも、万が一に備えたい方は、「患者カード」の携帯を。

マッサージ・リハビリ

どちらも行うことができます。
ただし、針を刺す部分の皮膚への摩擦や、カテーテルの位置異常や損傷などを誘発する恐れがある動作については、注意が必要です。事前に主治医・医療従事者に相談しましょう。

ペースメーカー

ポートとペースメーカーは併用できます。

ポートの使用期間

点滴の回数にもよりますが、数年は使用可能です。
抗がん薬投与期間のみポートを使用し、数か月で取り出す方もいらっしゃれば、5年以上使い続ける方もいらっしゃいます。

ポートを使用しない時のメンテナンス

血液がカテーテルの中へ逆流したり、凝固したりするのを防ぐために、生理食塩液あるいはヘパリン(抗血液凝固剤)*入りの生理食塩液をカテーテル内に充填させます。(※ヘパリン入りの生理食塩液を使うかどうかはカテーテルの材質によります。)
あるいは、1か月に1回程度、生理食塩液などでポート内を洗浄してください。

使用期間が終わったら

埋め込み手術と同様に、病院で局所麻酔後に皮膚切開を行ってカテーテルを抜去します。
手術時間は10分~20分程度。
手術費用は保険適用で約4,000円です。

 

監修:土井 卓子(医療法人湘和会 湘南記念病院 乳がんセンター長)