緩和ケアで受けられるサポート
体の痛みが強いと精神的にも追いつめられてしまいます。早い段階から痛みを和らげることは、治療を続けていくためにも、日常生活を続けるためにも必要です。
痛みを抑えるためには、神経ブロックや緩和的放射線療法、一般的な消炎鎮痛薬のほかに、モルヒネなどの医療用麻薬が使われます。
麻薬といっても、痛みをなくすための必要かつ十分な量を使うことで吐き気・嘔吐、便秘、眠気などの副作用を抑え、苦痛のない快適な生活を送ることができ、依存症になるような心配はありません。また、それぞれの段階で、痛みの種類に応じた鎮痛補助薬(特定の痛みに対して鎮痛作用を持つ薬)が組み合わされます。
乳がんによる体の痛みだけではなく、不安や緊張、精神的な疲労感、治療や周囲の環境への不満、がんになったことで生じた経済的、社会的な問題などを解決するための心のサポートも緩和ケアのひとつです。
心の緩和ケアは、主治医と精神科医やカウンセラーの連携によって行われ、本人の相談だけでなく、家族の相談にも応じます。
監修:土井卓子先生(医療法人湘和会 湘南記念病院 乳がんセンター長)